CGMとポンプを装着した“糖尿病バービー”が誕生 遊びから広がる1型糖尿病への理解と共感

Uncategorized

バービーに 1 型糖尿病モデルが仲間入り

子どもたちのロールモデルとして親しまれてきたバービー人形に、CGM(持続血糖モニター)とインスリンポンプを装着した 1 型糖尿病(T1D)モデルが登場しました。開発は Mattel と国際的 NPO「Breakthrough T1D(旧 JDRF)」の共同プロジェクト。T1D を可視化することで、当事者の自己肯定感を高め、周囲の理解を広げる狙いがあります。私もこのニュースを知った瞬間、思わず「やっと来た!」と声を上げてしまいました。新たに開発された1型糖尿病のバービー人形の主な特徴は次の通り――。

持続血糖モニター(CGM)1型糖尿病の管理を改善するため、腕にCGMを装着している。CGMは、グルコースレベルを継続的に測定するための小型のウェアラブルデバイス。血糖値は、食事や運動などの影響を受けて1日のなかでも、日日間でも変動するが、CGMを使用すると血糖変動が詳しく分かる。
CGMを装着したままにするために、ハート型のバービーピンクの医療用テープと、CGMを管理する専門アプリの入ったスマートフォンを身に着けている。
インスリンポンプインスリンポンプを腰に装着している。インスリンポンプは、必要に応じて自動的にインスリンを投与できる小型のウェアラブル医療機器。
ブルーの水玉模様の衣装スタイリッシュなブルーと水玉模様のトップと、それに合うフリル付きのスカートを身につけている。ブルーサークルは、糖尿病の啓発活動である「世界糖尿病デー(World Diabetes Day)」のシンボルでもある。
ハンドバッグパステルブルーのハンドバッグが付属。外出時に、血糖自己測定器などの1型糖尿病用品や、低血糖を防ぐための捕食などの必需品を持ち運ぶのに使う。

CGM とインスリンポンプをリアルに再現

新バービーは左腕にハート形のピンクテープで固定した CGM センサー、ウエストに小型インスリンポンプ、そして血糖管理アプリが表示されたスマートフォンを携帯しています。ブルーの水玉ドレスは世界糖尿病デーのシンボルカラー。小さなディテールまで忠実に作り込まれており、“医療機器を身につける姿=前向きでおしゃれ”という新しいイメージを子どもたちに届けてくれます。

Breakthrough T1D とのパートナーシップ

Breakthrough T1D は世界 900 万人超の T1D 患者と家族を支援する団体。CEO のアーロン・コワルスキー氏自身も T1D 当事者で、「この人形は病気と共に生きる子どもたちへ“君は一人じゃない”と伝えてくれる」と語ります。筆者も医療現場を取材するなかで、子どもが自分と同じポンプを付けた人形を手にしたときのキラキラした目を何度も見てきました。

2025 Children’s Congress での初披露

バービーは 2025 年 7 月、ワシントン D.C. で開かれた「Breakthrough T1D Children’s Congress」に寄贈されました。全米 50 州と海外 5 カ国から集まった 170 人の T1D キッズが議員と直接対話し、自分たちの声を政策に届ける場で、人形は象徴的な存在になったそうです。

アンバサダーたちのエンパワーメント

モデルのライラ・モス氏やフィットネスインストラクターのロビン・アルゾン氏など、T1D を公表して活躍するロールモデルも新バービーを絶賛。「自分と同じデバイスを着けた人形がいるだけで、子どもたちは“違いこそ強み”と感じられる」と声をそろえています。正直、取材中に何度もうなずいてしまいました。

人形遊びが育む共感力とセルフケア意識

カーディフ大学の調査では、人形遊びは共感力や社会性を伸ばす効果が報告されています。医療デバイスを自然に扱うバービーは、T1D の子どもだけでなく、友だちやきょうだいにとっても「病気を学び、支え合う」きっかけになるはずです。読者の皆さんのご家庭でも、ぜひ一度手に取ってみてください──私自身も、取材後に思わず予約ボタンをクリックしてしまいました。

まとめ

新しい T1D バービーは、多様性(ダイバーシティ)と包摂(インクルージョン)を体現する大きな一歩です。CGM やインスリンポンプが「特別」ではなく「自分らしさ」を彩るアイテムとして描かれることで、子どもたちは夢に向かって前向きに進む勇気を得られるでしょう。バービーが届ける小さなエールが、一人ひとりのセルフケアを支え、共感の輪を広げる――そんな未来を期待せずにはいられません。